北海道えりも町 海と大地のふるさと

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百人浜緑化事業

百人浜緑化事業について

写真:砂漠化した大地
えりも岬はかつて、カシワやミズナラ・シラカバなどを主とする広葉樹の原生林で覆われていました。

しかし、明治以降、燃料としての木々の伐採や、牛・馬・綿羊の放牧などによって,原生林は切り開かれ、えりも岬特有の強風にさらされ、大地は砂漠化してしまいました。
(写真はその頃の様子)

砂漠化した大地からは、強風によって赤土が舞い上がり、その赤土は、海上10キロメートル沖合いにも達し、岬沿岸の海は黄色く濁りました。

海藻類は根腐れをおこして採れなくなり、回遊魚や沿岸の魚も減少しました。

家は戸や窓を締め切っても、どこからか砂が入り込み、衛生状態も悪く、集団移転さえ考えたほどでした。

そんな状況を脱するため、昭和28年、浦河営林署「えりも治山事業所」が開設され、本格的なえりも岬の緑化事業がスタートしました。
写真:緑化事業
開始された緑化事業は、やはりえりも岬の強風によって困難を呈しました。緑化の第一歩は、砂漠化した大地に草をはやすことです(草本緑化)。 しかし、草花の種をまいても強風に飛ばされ発芽しません。

せっかく発芽しても根付く前に飛ばされてしまいます。

何年もの試行錯誤の結果、海岸に打ちあがっている雑海藻を種をまいた上に覆い、種が飛ぶのを防ぐことに成功しました。 

また、この雑海藻は発芽後の良い肥料ともなり、緑化が一歩前進しました。

しかし、草本緑化後に行う木本緑化でも、植樹した苗木がなかなか育たず、何年もの試行錯誤の結果、北海道には自生していないクロマツが適していることが分かりました。

また、植樹した苗木を囲む防風柵も、他の地域で使用するときよりも狭い間隔で立てることで強風をしのげることがわかりました。
写真:クロマツの林
このような様々な試行錯誤を経て、50年近く経った現在、クロマツの林は、中に入ればそこが「道路脇の植林された林」であることを忘れさせてくれるほど、豊かに成長してきました。

植林の成果が上がるとともに、海には回遊魚が戻ってくるようになり、コンブなどの海藻類も採れるようになりました。

今後は、クロマツ以外の元々この土地に生えていた種類の木々を植え、植林前の豊かな植生へと戻していくことが課題となっています。

植林地を見てみよう!

百人浜からえりも岬にかけての道路脇のクロマツ林が植林地です。

百人浜の展望搭に登ると緑化事業地が一望でき、営林署で展示している植林の資料を見ることができます。
  • 写真
    植林地
  • 写真:展望塔
    展望塔

えりも緑化資料館みどり館(林業総合センター)

  • 場所:えりも岬小学校すぐ近く
  • 開館日:3~11月/無休、12~2月/休館
  • 開館時間:9時~16時
  • 写真
    みどり館 外観
  • 写真
    みどり館 内部

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産業振興課 林務係

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